名医の健康法&アドバイス(7)

連綿と続く知識と最新医学を研鑚し日々、治療に専念しながら揺れる生命と向き合うドクターたちカリスマと呼ばれ病を知り尽くす彼らがセルフケアとして選んだ健康法心と身体のリセットと、病の予防に最高峰のベストメソッドを披露!

スーパードクターがリアルな健康法を直伝!第7弾

慶應義塾大学医学部 内科学教授
伊藤 裕先生

1983年京都大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科博士課程修了。米国ハーバード大学、スタンフォード大学医学部にて博士研究員。京都大学医学部助教授を経て2006年より慶應義塾大学医学部に。著書に『健康は「内臓さん」で決まる』ほか
http://www.keio-emn.jp/

内臓を元気にするメタボドクターの肥満解消健康法

「内臓は肉体の一部ですが、自分とは別の人間がいると考えて、その状態を感じてあげることが大切です」

伊藤先生は、肥満や生活習慣からドミノ倒しのように、病気が連鎖していくことを明らかにした「メタボリックドミノ」を発表し、世界でも注目を集めている第一人者だ。肥満を放置しておくと病気が病気を呼び、最終的には後戻りできなくなる。だから初期段階のケアをし、体調に気づきやすい環境づくりが大切だという。

「健康になるためには、毎日同じペースで生活を淡々と行うことが基本です。ダイエットも健康法も、変わったことや刺激的なことは結果的には飽きてしまう。まずは食事の時間を決めると良いでしょう

過去、先生も仕事の合間に食事をするスタイルで多忙を極めていたが、同じ時間に食事を摂り、外食を減らすようにした。結果、自然に体重が10キロ減り、体調も良好。食事の時間を決めれば、仕事への取り組み方に変化が生まれ、睡眠などの生活のペースがおのずとでき上がっていくと語る。

さらに植物を育てることもお勧めだ。季節の移り変わりのなかで同じタームで世話をするので、日常のリズムがおのずとつくられる。

「食事も10分で済ますのではなく、30分かけてゆっくり食べるなど、ちょっとした工夫で、血圧が下がったり脂肪肝が減ったりと、健康に対する幸せ感が生まれます」。先生によると、「悩み過ぎず自分を大切にする人」「小さな体調の変化に気づく人」が健康長寿を得ているという。無理せず自分のペースで、生活のリズムをつくることが大切だ。

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Advice1: 食事の時間を決めて、生活のリズムをつくる
「午前10時までに朝食を30~45分かけて食べるなど、自分に合った3食を摂るルールを決めて、生活のリズムを整えましょう」と伊藤先生。コンビニ食や外食を控えて、同じ場所で安定したメニューを食べること。

Advice2: 小さな草花を育ててあげる
「ガーデニングなど、たくさんの植物の世話をすることはありません。朝、必ず水をやるなど、枯れない程度に、無理ないペースで世話をしていきます」。植物の成長を見守りながら、四季の変化も感じてみよう。

(TRINITY45号より)