名医の健康法&アドバイス(6)

連綿と続く知識と最新医学を研鑚し日々、治療に専念しながら揺れる生命と向き合うドクターたちカリスマと呼ばれ病を知り尽くす彼らがセルフケアとして選んだ健康法心と身体のリセットと、病の予防に最高峰のベストメソッドを披露!

スーパードクターがリアルな健康法を直伝!第6弾

医療法人和楽会(赤坂クリニックなど)理事長
貝谷久宣先生


特定非営利活動法人 NPO不安・抑うつ臨床研究会代表。社団法人 日本筋ジストロフィー協会理事長。米国精神医学会会員。2009年第1回日本不安障害学会会長などを歴任。著書に『適応障害のことがよくわかる本』(講談社)ほか

精神科医が実践する“若返り”摩擦法

毎朝シャワーを浴びる前に、全身を手でくまなくさすりながら身体の状態をチェックするという貝谷先生。身体に“ありがとう”と語りかけながら行っている。

特に重要なのは、耳下腺を刺激して唾液の分泌を促すこと。唾液には抗老化ホルモンの“パロチン”が多く含まれ、若さを維持する効果があります

食べ物の消化を助けるだけでなく、アンチエイジングの観点からも注目される唾液。よく噛んで食べることも効果的だ。

また、「好きな仕事に従事しているから、特に気をつけなくても心は健康そのもの」と先生。パニック障害の第一人者として知られる先生に、精神医学の観点から、心を健康に保つ方法について伺った。

「異物が現れたら、それを排除しようとするのが免疫の基本です。その前提として、“自他”を区別することができなければ、異物を識別できません。精神医学的に言うと、自分は自分だという“自我”が確立できなければ、心の免疫力をつけることは難しいのです」

クリニックを訪れる女性のなかには、他人にどう見られるかを気にし過ぎ、周囲と同じ格好をし、同じように振る舞う、自我が未発達の女性も多い。22歳頃を過ぎると前頭葉が発達し、そうした“未我”状態も緩和されていくという。

「私は私」という意識を持ち、自分が何を感じているのかに意識を向けることが、心の免疫力アップにつながる。

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Advice1: 朝食のメインはフルーツヨーグルト
2リンゴ、バナナなどの果物にヨーグルトとハチミツをかけて。黒ゴマ、昆布、ニンニクの粕漬け、じゃこ、メザシも少量ずつ食す。

Advice2: 耳下腺と甲状腺を摩擦刺激
抗老化ホルモン「パロチン」を含む唾液の分泌を促す耳下腺と、身体の代謝を司る元気の源「甲状腺ホルモン」の分泌を促す甲状腺を摩擦。アンチエイジングにも◎

Advice3: 若いスタッフと積極的に交流
スタッフの声「先生は研究や臨床については大変厳しいですが、楽しむときは楽しむ方。メリハリのある生活が、健康を保つ秘訣なのかもしれません」

(TRINITY45号より)