名医の健康法&アドバイス(3)

連綿と続く知識と最新医学を研鑚し日々、治療に専念しながら揺れる生命と向き合うドクターたちカリスマと呼ばれ病を知り尽くす彼らがセルフケアとして選んだ健康法心と身体のリセットと、病の予防に最高峰のベストメソッドを披露!

スーパードクターがリアルな健康法を直伝!第3弾

ニューヨーク医科大学 家庭医学教授(非常勤)
大村恵昭先生

YOSHIAKI OMURA, M.D., Sc.D. NY心臓病研究所所長、国際鍼電気治療大学学長、日本バイ・ディジタルO-リングテスト協会会長。早稲田大学理工学部、横浜市立大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院のインターンを経て渡米。コロンビア大学癌研究所の病院でレジデントを務め、65年に一個の心臓の細胞の薬理電気生理学の研究でコロンビア大学医科学の博士号(Sc.D.)を取得。93年O-リング・テストの米国特許取得。日本バイ・ディジタルO-リングテスト協会http://www.bdort.net/

O-リング・テストの創始者が考案
長寿に導く「臓器の代表領域」の刺激

O-リング・テスト創始者である大村先生は、O-リング・テストによって導き出した「臓器の代表領域」(下図)を使った健康法を提案する。顔や手足のどこにどの臓器が対応しているかを示す分布図だ。

「顔を見るだけで病の状態が分かることが多い。たとえば眉やその周りにも表れています。鼻側の眉毛は心臓の状態を表し、顔の側面側の眉毛は食道や胃。その箇所に白髪が異常にあったり、眉毛が薄くなったり、なくなっている人は要注意です」。

日々の健康法として実践していることは、「臓器の代表領域」に基づいた下に図解した三つの方法。これらは、健康に深い関係があるとして研究される細胞の染色体の末端組織の「テロメア」と脳の海馬にある長寿遺伝子「サーチュイン1」の数値を高めることが先生の研究で明らかになった。

テロメアの数値は、赤ちゃんならば1500ナノグラム(10億分の1グラム)以上が平均。成長に従って数値は減り、20歳前後の成人ならば100ナノグラム以上もあれば健康といえる。しかし、若者のなかにも電磁波や飲食物、身体に触れる衣服その他の影響を受けて、1ナノグラム以下にも低下している人も多い。

また、長寿遺伝子の一つであるサーチュイン1の量が、長寿の重要な要素だと大村先生は語る。「サーチュイン1の数値は、一般の平均値では5ピコグラム(1兆分の1グラム)前後ですが、世界最長寿の122歳で他界したフランスのジャンヌ・ルイーズ・カルマンさんや、聖路加病院の日野原重明先生は100ピコグラムに達していました」。これらの数値を高める主な方法が、手と顔、胸に表れる「臓器の代表領域」を刺激する下記の手法だ。刺激のやり方によってテロメアは200~500ナノグラムの増加、長寿遺伝子は2倍以上に増加する結果が得られた。

テロメアと長寿遺伝子が十分に増えると抗癌作用も表れる。「さらに効果を高めるには、次のことも同時に行いましょう。まず、背筋を真っ直ぐに伸ばす。良い水を毎日1~1.5L飲む。朝、マッサージをする前に300~500mL程度飲むと良いですね。血液・血管・脳の状態を若く保つために、EPA、DHAを含むオメガ3フィッシュオイルのサプリメントを適量摂取します」。簡単な刺激で、染色体と遺伝子に働きかける最先端アンチエイジングだ。

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Method1:眉と目の周りを優しくつまむか、こする
眉と目の周囲の皮膚は重要な臓器が対応する。親指と人差し指で優しくつまむか左右にこすり、眉全体と、眉毛の下と上まぶたの上の皮膚の部分を20回以上刺激する。※爪を切り、手を洗った後に行うこと。

Method2:胸の上の胸腺を指先で刺激
胸腺の代表領域は胸の胸骨柄の下半分の所。片手の指先全部を使って左右に強くこするように100回刺激する。免疫力アップに効果的。1の眉や目の周りの刺激が苦手な人は、2と3の回数を増やして刺激すると良い。

Method3:手のひら、手の甲をこする
手のひらと手背部(甲)に全身の臓器の代表領域がある。両手の手のひらを合わせて左右に強くこすり合わせること100回以上。次に両手の甲を合わせて同じように100回以上こする。毎日行うことで、数値アップの効果をキープできる。

  • 一緒に実践すればさらに効果倍!

1.背中を真っ直ぐにする
正常細胞のテロメアを下げないため、背骨を正して姿勢をキープする

2.毎日水を1~1.5L飲む
水道水を飲むなら30秒~1分程度流した後の水が良い

3.全身の運動を行う
毎朝5~10分間、全身の筋肉、関節を動かしながらストレッチを行う

4.EPA、DHAを摂取
体質に合わせて適量を摂る。目安は1回EPA180mg、DHA120mgで1日2~3回(大人1回の平均)

参考文献:『顔を見れば病気がわかる』(文芸社)『未来医療O‐リングテスト』(医道の日本社)
『「O-リングテスト」超健康(スーパーヘルス)レッスン』(主婦と生活社)

(TRINITY45号より)