医師の養生~川田浩志先生(2)

患者の健康のために奔走する医師の方々。
驚きの若さと意欲を持ち、日々パワフルに診療にあたるドクターたちの養生法。
先生方の24時間&健康ハウツーを大公開!

———————————————————————————————
東海大学医学部血液内科准教授
川田浩志先生

Point1  老化を遅らせる有酸素運動&筋肉トレーニング

筋肉を育むことで見た目も、動きも若々しくなる!

加齢に伴って、特に腹直筋と大腿四頭筋が萎縮してしまいます。また筋肉は、瞬発力や機敏な動きに働く速筋と、持久力に関与する遅筋の2種類の線維から構成されます。老化によって落ちやすいのは速筋であり、最大筋力の40%以上の力を出さないと使われません。よって、筋肉のトレーニングがお勧めです。

Check! 筋肉老化度判定法(30秒椅子立ち上がりテスト)

椅子の立ち上がりを30秒間に何回できるかによって、脚の速筋の萎縮度が分かる。

1)かかとの低い靴か、素足で行う。
2)椅子の中央部より少し前に座り、体幹が10度くらい前屈するように少し前かがみになる。
3)両ひざは、握りこぶし一つ分くらい開く。
4)足裏を床につけ、かかとを少し引く。
5)両手は腕の前で腕組みをして胸につける。
6)「スタート」の合図で、両ひざが完全に伸びるまで立ち上がり、また素早く座位姿勢に戻る。
これを繰り返す。
7)30秒後の回数をチェック。

年齢に対して何回出来たかを下の票でチェック

見た目の老化を防ぐ!腹筋&大腿全部を鍛えるエクササイズ

①椅子腹筋

ベーシックな腹筋と同様の効果をもたらす。いつでもどこでも、椅子に座ったままできる!

1)椅子に浅く腰掛け、背もたれに身体を預ける。背もたれから1センチほど背を浮かす。
2)そのまま少し前かがみになる。また1の状態に戻る。これを繰り返す。
3)腹筋を使いながら、ゆっくりと上体を起こす。

②座ろうかなスクワット

ハーフスクワットと同じ効果をもたらし、大腿四頭筋を鍛える。高齢者の転倒予防にも良い。

1)身体の後ろに椅子を置いて立つ。
2)ゆっくりと腰を下ろし、お尻を椅子に近づけ、座る寸前で止める。
3)上体を起こして立ち上がる。
4)このサイクルを繰り返す。

POINT2 健康&長寿に導く心の幸福度UP法

幸せを感じる人ほど長生きだった!心と長寿の関係

オランダの研究グループは、幸福度の高い人ほど将来の死亡リスクが低かったという調査結果を発表しています。また、ある人間関係が心にネガティブな影響を与えている場合、その関係が密になるほど心臓病の危険が高まるという報告もあります。

世の中に対する見方が幸福度に大きな影響を与えます。たとえば、ポジティブな人は、起こる出来事の6割をポジティブにとらえるけれど、ネガティブな人はネガティブな側面ばかりを見てしまいがちです。

どうしたら幸福度を上げられるかという調査がアメリカで行われたことがあります。毎晩、寝る前に3つの良いことを思い出すグループと、昔のことを思い出すグループの比較です。結果は下のグラフの通りで、半年後に幸福度が上昇したという人が増えたのは、良いことを思い出したグループ。世の中の見方を変える一つの方法と言えるでしょう。

幸福度を上げる3つの良いこと探し(THREE good things)

●毎日、寝る前にその日にあった良かった出来事を3つ思い出して、ノートに書く
●1週間分のノートを見返すと、1日3個、7日で21個の良いことが記入されている
●継続して書いて、ノートを見直すことで、世の中の見方が変わって幸福度が上がっていく

今日の良いことを思い出すと幸福度が上がります!

(TRINITY49号より)