日本人の60パーセントがサイレントな慢性胃炎を持っている!
現代女性の胃の病気~3つの原因と解決法
食生活の欧米化、人間関係のストレ、不規則なシフト勤務などで、胃の不調を訴える現代女性が増えている。病気の犯人は「胃酸」と「ピロリ菌」だ。
日本人の胃酸は増えピロリ菌がはびこっている
「子どもの時に脂肪分が多い食事をしていると、脂肪を消化するために胃酸をたくさん出す体質に変わってしまいます。だから成長期の子どもを持つお母さんは要注意です。日本人は昔に比べて食事が脂っこくなったために、相対的に胃酸が増え、なんとなく胃腸の調子が悪い機能性胃腸症や、逆流性食道炎という病気が増えているのです」(江田先生)。
一方、慢性胃炎はピロリ菌が引き起こすことが分かっており、自覚症状がないケースも多い。ただし内視鏡で胃のなかを見れば一目瞭然だ。
1. 日本人女性の4人に1人がかかっている現代病の一つ、機能性胃腸症
現代のストレス社会で急増しているのが機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)だ。胃の調子が悪く、胃の痛みやもたれが続いているのに、内視鏡検査をしても異常が見られない。昔は医者が異常なしと見過ごし、そのことで原因不明の痛みに苦しむ人もいたが、ここ数年はれっきとした病気として認知されている。時間が経てば改善、もしくは治癒することも多い。胃酸の出すぎなのかストレスによるものなのか、原因によって治療のアプローチが異なる。
主な症状
胃の重苦しさ、胃もたれ、圧迫感、胃痛、吐き気、食欲不振、少し食べるとすぐ満腹になるなど
原因
胃酸の出すぎ、胃の感じやすさが強い、胃の動きが悪い、精神的なストレス
治療法
胃液のpHを調べて胃酸の出すぎが判明したら、胃酸を抑える薬が効果的。胃酸を抑える薬には2種類あり、「ガスター10」などの商品名で薬局で買えるH2ブロッカーは、比較的軽めの薬。PPI(プロトンポンプインヒビター)はより強い薬で、医師の処方のもとに服用する。また、キャベツにはビタミンUという胃酸を抑える成分が含まれている。ビタミンUは熱で壊れるので、ジュースやせん切りキャベツがおすすめ。胃の運動不全に対しては、胃の運動機能を高める薬や漢方薬を用いる。朝食を抜くと胃の運動力低下がひどくなるので要注意。精神的なストレスの場合は、ストレスをうまく発散させることが大切だ。好きな音楽を聴くなどして、普段の生活のなかで副交感神経を働かせることを意識するといい。
胃薬
【胃酸を抑える薬】H2ブロッカー(「ガスター10」、「アシノンZ」、「アルタットA」、PPI(「パリエット」、「タケプロン」、「オメプラール」、「ネキシウム」)
【胃の運動機能を高める薬】「アコファイド」、「ガスモチン」、漢方「六君子湯(りっくんしとう)」
(TRINITY48号より)