名医が伝授!~体・心・魂のクレンズ(2)

重金属、添加物、化学物質、ウィルス、菌……。普通に生活するだけでも体内に蓄積する有害物質。さらにネガティブな感情や不規則な生活これらは本来の健康を妨げる要因の一つであり、病に及ぶ場合もある。だからこそ肉体を浄化して、心、魂も元気であってこその“健康”。国内で活躍する著名ドクターが心身クレンズをアドバイス!

専門ドクターのデトックス講義、栄養療法のドクター

溝口 徹 ●新宿溝口クリニック院長

日本初の栄養療法専門クリニックを開設し、多くの疾患に栄養学的アプローチで治療にあたる。著書に『うつは食べ物が原因だった!』(青春出版社)ほか
http://www.shinjuku-clinic.jp

タンパク質と鉄分を補って自力で毒を排出できる身体をつくる

30~40代の女性に足りない栄養素はタンパク質と鉄分。そして摂り過ぎるのは糖分ですね。特に鉄分は、健康診断で「貧血」と言われなくても、不足気味です。その自覚症状としては、朝シャキッと起きられない、夕方になると疲れて休みたくなる、生理前や生理中は体調が悪い、頭痛、風邪を引きやすいなど、貧血とは異なる症状で出てくるのですが、それが普通の状態と思っている女性が多いのです。ですから、マグロやレバーなど、赤味の強い動物性のタンパク質の摂取をお勧めします。

食物には有害物質も確かに含まれますので、心配される方も多いと思いますが、そもそも身体の栄養状態が良い人は、毒が体内に溜まりにくいと思うのです。つまり、クレンジング能力が高い身体であれば、多少の毒が入って来ても自分で処分することができる。

毒物の排出には、小腸の粘膜が大切な役割を果たしています。腸管内腔を通って運搬されるさまざまな毒素を、小腸の粘膜表面を覆う小腸上皮細胞(左下図参照)が吸収するのですが、良い小腸の粘膜は、細胞内で毒素を腸管に排出することができます。ですから、小腸の粘膜を良い状態にしておくことで、いろいろなものを食べても、毒が体内に入りづらい状況をつくるのです。

鉄分が不足すると細胞の代謝機能が落ち毒も入りやすくなる

その時に働くのが、小腸上皮細胞内のCYP3A4という酵素などで、これは鉄分がないと働かない酵素なのですね。この酵素の活性が落ちるのは、貧血として症状が表れるよりもずっと前の段階。つまり、すでに貧血気味で、鉄分が不足している人は、毒も体内に入りやすいということです。

また、小腸の粘膜は細胞の入れ替わりが早いので、非常に大量の栄養素が必要なのです。特に必要な栄養をきちんと摂ることが、粘膜で毒を吸収しないポイントになります。何を食べると良いかというとタンパク質。タンパク質はアミノ酸となって血液から脳内へ運ばれますが、アミノ酸のなかでもグルタミンがとても重要。あとは亜鉛、鉄、ビタミンAやD。細胞組織の入れ替えが早くできる身体にすることが大切です。

タンパク質の効率的な摂取には、牛肉ならばウェルダンよりも、レアかミディアムくらいの焼き方のほうがお勧め

著書に『うつは食べ物が原因だった!』(青春出版社)ほか

(TRINITY48号より)