五臓と感情の蜜月にメス!心が変われば、内臓も喜ぶ!(7)

五臓と感情の蜜月な関係 腎のページ

恐/驚きと繋がり、生殖・成長を司る生命活動の源の臓器

ミネラルとたっぷりの睡眠が若さを保つ

「腎」は、滋潤・寒冷・下降などの性質と、水のように寒冷で下降・滋潤するという特性を持つ。「恐/驚」の感情と腎の繋がりについては、断頭台の露と消えたフランス王妃・マリーアントワネットが、捕らえられた時、恐怖のあまりに一晩で髪の毛が白髪になったという有名な逸話がわかりやすい。

腎には、生命力の源である腎精の貯蔵庫という大きな役割がある。だが、恐怖や驚きによりパニック状態になると、腎の気を乱し、腎精を貯蔵する働きを低下させてしまう。持って生まれた生命エネルギーは、成長とともに減っていくが、日頃の養生で腎精を蓄え、若々しさを保つことは可能だ。ホリスティックケアとしては、鹹味(かんみ=塩辛い物)でミネラル分を摂取することと、疲労を溜め込まないこと。特に、寒さが厳しい冬の季節は、身体を温め、睡眠をたっぷりとるようにしたい。

腎が司る主なもの

生殖や内分泌系のほか、発育と骨、歯、耳、脳、髪の毛を司る「腎」は、アンチエイジングとも関係が深い。出産を望んだり不妊に悩んだりしている方は、腎の養生を心がけることが大切。腎を損なうと、白髪や脱毛、骨そしょう症、更年期障害、インポテンツなど、老化の代名詞のような症状に。また、水分代謝も担っているため、排尿困難や慢性の下痢や便秘になってしまうことも。相生は「肝」で相克は「心」のため、腎を損なうと、生命に必要な血の生成や循環に影響を及ぼすことが。

五行=水  腎の基本的な性質。
五腑=膀胱 腎の働きを補佐する器官。
五窮=耳  腎が所属する感覚器。
五支=髪  腎の精気を発するところ。
五主=骨  腎が栄養を補充するところ。
五神=精志 腎の精神の所属するところ。
五季=冬  季節の外気、腎の病気の主な外因。
五悪=寒  腎に影響を与える気象。
五色=黒  腎を損なうと皮膚が黒ずむ。
五味=鹹  腎のバランスが崩れると鹹(塩辛いもの)を欲する。
時間    9~11時

◉かかりやすい病気
●腎臓病 ●膀胱炎
●痛風  ●骨そしょう症
●脱毛症 ●不妊症
●夜間尿 ●白髪
●更年期障害
●インポテンツ

◉腎の異常サイン
●集中力の低下
●冷え性になる
●生理不順で量が少ない
●白髪が目立つ
●耳鳴りがする
●頻尿になる

腎に効く! ホリスティックケア

◆食べもの
腎を養うには、黒ゴマなどの黒い色や、身体を温めたり、水分を補う食材がおすすめ。

ショウガ
身体を温め、解毒作用や消化促進、血圧の抑制など、万能の薬膳食材である。薬味のほか、黒砂糖と熱湯を加えたショウガ湯も良い。

黒ゴマ
強壮効果の高い亜鉛や、鉄、銅、カルシウムも含まれているため、腎を養うのにうってつけの食材。すり下ろしてゴマ和えも。

羊肉
低コレステロール&不飽和脂肪酸という理想的な食材で、身体を温める効果も強力。炒め物や焼き物などのほかシチューなどにも。

◆アロマ
水分調節を促進し不安に効果を示す、ウッディ系や、エキゾチック系がおすすめ。
●ジュニパー  ●スイートフェンネル
●ゼラニウム  ●ジンジャー
●シダーウッド ●タイム
●ジャスミン  ●サンダルウッド

◆フラワーエッセンス
精神のバランスに影響を及ぼすような恐れや不安に効果のあるレメディを紹介。
●対象がわかっている恐れ〜ミムラス
●身がすくむような極度の不安〜ロックローズ
●心の抑制を失う恐れ〜チェリープラム

◆ツボ
恐怖や不安、驚による精神のバランスの不調を落ち着かせ、腎をケアするツボを紹介。

太谿 (たいけい)

内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ。親指やひとさし指でギュっともむように押すと、精神のバランスが落ち着く。

湧泉 (ゆうせん)

足底の中心、第2と第3の指の骨の間のくぼみ。驚きによって弱った心に、元気や活力が泉のように湧いてくる。疲労も回復。

(TRINITY44号より)