連綿と続く知識と最新医学を研鑚し日々、治療に専念しながら揺れる生命と向き合うドクターたち。カリスマと呼ばれ、病を知り尽くす彼らがセルフケアとして選んだ健康法。心と身体のリセット、病の予防にベストなメソッドを披露!
スーパードクターがリアルな健康法を直伝!第2弾
東京医科歯科大学 名誉教授
藤田紘一郎先生
1939年、中国・旧満州生まれ。東京医科歯科大学医学部卒、東京大学医学系大学院博士課程修了。医学博士。東京医科歯科大学名誉教授。人間総合科学大学教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。『笑うカイチュウ』(講談社)、『こころの免疫学』(新潮社)など著書多数。83年に小泉賞、00年に日本文化振興会社会文化賞を受賞。腸と水研究の第一人者
腸内研究の第一人者のお腹と仲良くする方法
「寄生虫博士」の愛称で知られる藤田紘一郎先生。腸内研究の第一人者でもある。「腸は心身の健康すべてに通じる大事な臓器。健康になりたいならば腸内環境を整えることが必要です」
藤田先生が最もこだわるのは食事。しかし、あまり無理や我慢をしないことが大事だそう。
「食事は野菜や豆類を必ず食べるようにしていますが、週に2回はステーキを食べています。朝食はお野菜、海藻や大根などのお味噌汁、豆腐を食べて、青汁入りの豆乳を飲んでいます。昼食も大体同じ定食屋さんで同じメニューです。小サイズの十穀米と、ときのこを卵でとじたお惣菜、焼き魚に、野菜がたくさん入った豚汁ですね。夕食は20時までには食べるようにしています。肉を使った料理が多いですが、ずっと続いているなと思ったら控えるようにしています。あとは豆腐や納豆などの大豆食品ですね。
藤田先生は、50代になったら炭水化物を控えた方が良いと語る。
「人間には二つのエネルギーがあります。ひとつは、主に若者が使う、糖を食べてエネルギーにする “瞬発力”の解糖系エンジン。もうひとつは50代以降が使う、酸素を吸ってエネルギーにする“持久力”のミトコンドリア・エンジン”。
若者には炭水化物が必要ですが、50代以上の人が炭水化物を食べ過ぎると解糖系エンジンが働いて本来優位のはずのミトコンドリア・エンジンの作動に障害をきたし、活性酸素を生み出してしまいます。活性酸素は老化や細胞のがん化、アルツハイマーを誘導するので、炭水化物はできるだけ避けたほうが良いのです」
ミトコンドリア・エンジンをスムーズに回すために、身体を温めることも意識的にしているそう。
「自宅でも毎日湯船に浸かりますが、週に一度は近くの銭湯で身体を温めながら深呼吸をします。解糖系は35度ぐらいで活発に動き、ミトコンドリア・エンジンは36~37度ぐらいがベスト。年齢を重ねると代謝が落ちて体温が下がるので、ゆっくりと身体を温めることが必要です」
ほかにも、藤田先生が特に意識しているのが歩くこと。だがマストにはしない。「毎日健康的な食事をしなければいけない、毎日1万歩を歩かなければいけない……などのように義務として考えると、それがストレスになって免疫が下がってしまいます。適度にバランスを取りながら、おおらかな気持ちで毎日を過ごすことが大切です」
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Method1:腸内細菌を摂取し、ベストな腸内環境に!
腸内細菌を補給できるサプリ“マメビオプラス”を毎日摂取。腸内細菌は心身の免疫の要。腸内に届きやすい形で摂取することで乱れがちな腸内環境を整える。
Method2:寝る前の一杯の水は、命をつなぐ“宝の水”
人間は寝ている間に汗をかくので明け方に心筋梗塞や脳梗塞の発生率が高い。寝る前に一杯の水を飲み、夜中に目を覚ますたびに意識的に飲むことで予防できる。
Method3:万能食材・大豆、毎日食べて健康維持
豆腐や納豆、味噌などの大豆製品はがん予防、繊維質、イソフラボンの摂取、腸内環境の改善など、身体にとっていいことばかり。毎日の摂取が健康維持の秘訣。
Method4:ステーキは週2回! バランスの良い食事を
毎日3食しっかり食べて、肉も週2回は食べる方が結果的に長寿につながる。少食法などが流行しているが、長寿を目指すならばバランスの良い食事がお勧め。
(TRINITY45号より)