医師の養生~南雲吉則先生(1)

患者の健康のために奔走する医師の方々。
驚きの若さと意欲を持ち、日々パワフルに診療にあたるドクターたちの養生法。
先生方の24時間&健康ハウツーを大公開!

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ナグモクリニック理事長・総院長
南雲吉則先生
医学博士。乳腺専門医。1955年生まれ。東京慈恵会医科大学第一外科乳腺外来医長を経て、’90年にナグモクリニックを開設。最新著書に『体の中から若返る! ナグモ食堂』(主婦の友社)他http://www.nagumo.or.jp

Q:あと1週間の命だったら、何をしますか?
A:今と同じように診療を続けます。そして弟子や息子に物事を教え、「もう教えることはない、あとは頼む」と死んでいく。その生きざまを見せたいですね。

毎日を絶好調に働くために若さを保つ「南雲式長寿メソッド」

南雲スピリット

美容、ダイエット、アンチエイジングだけではない!
メディアでお馴染みの“なぐちゃん”先生が語ってくれた、
心も魂も健康に生きるためのディープな叡智

良い方向に変化したら「成長」、悪い方向なら「老化」

人間は必ず変化していくもの。若々しく健康であるということは、いくつになっても成長できるということです。非常に多くの失敗もしましたが、そういうことを通して人生を考えますよね。

生きるということは、誰かのために命を懸けるということ

どんな生物も子孫を守るために命を懸けて戦い、種が守られてきました。自分の子孫でなくても、他の子を守ってもいい。すべての遺伝子には「生きて子孫を残して、命を懸けて守れ」と刻まれているのです。

人生の根底にあるのは、「自分がなぜここにいるか」という哲学です

古代の人も、夜明けまでの暗闇のなかで人生を振り返り、「何のために生きるのか」という命題を考えていたと思うんです。そして東雲の空の、拝みたくなるような朝日を浴びて、身体がリセットされていたのではないかと。

どれだけその人の人生を変えられるかが僕の理念

講演でどんなに医学的に良い話をして感動してもらっても、相手が日常に戻って大酒を飲んだりして、変わらなければ空しいだけだよね。健康になろうという思いをずっと生涯抱いて欲しいなと。

家族、人類、地球上の生物の幸せにたどりつかなければ、自分も幸せではいられない

1人の人間には2人の親がいて、それを40代、千年さかのぼると、1兆人の親がいる。けれど千年前の世界の人口は2億人。つまり僕らはどこかで血がつながっている。それどころか地球上のあらゆる生物の祖先は一緒なんだ。

“若さ”=内面の健康。なぜ、若さと健康を保つ必要があるのか?

若さや美しさは内面の健康の表れです。なぜ内面の健康が必要かというと、毎日を絶好調に働き、人生の目標を達成するため。私たちの身体は、両親からいただいたものであり、その両親は代々命を懸けて子を守り続けてきてくれたのです。その大切な先祖の魂を盛る器である肉体を粗末にして、本当に人生の目標を達成できるのかと。

私たちの周りには、さまざまな不摂生のもとがあり、ついつい手を出してしまいますよね。たとえば子どもに「今、勉強をしておけば、10年後に必ずためになるよ」と言っても、10年後の人生を描くことができないから、ついゲームや漫画に目が行っちゃう。それは大人も同じで、自分が何のために生まれて、世に何を残すのかという人生の目的をしっかり持っていないから、つい目先の快楽に走ってしまうのです。

自分のためだけに節制はできませんが、自分を本当に大切に想ってくれる人間が周りにいたら、心配をかけないように不摂生をやめようと思えるわけですよね。その結果が、肌やウエストなど目に見える形に表れるのです。

(TRINITY49号より)