名医の健康法&アドバイス(4)

連綿と続く知識と最新医学を研鑚し日々、治療に専念しながら揺れる生命と向き合うドクターたちカリスマと呼ばれ病を知り尽くす彼らがセルフケアとして選んだ健康法心と身体のリセットと、病の予防に最高峰のベストメソッドを披露!

スーパードクターがリアルな健康法を直伝!第4弾

新潟大学大学院 医歯学総合研究科教授
安保 徹先生

1947年 青森県生まれ。東北大学医学部卒業。専門は免疫学。米国・アラバマ大学留学中の80年に「ヒトNK細胞抗原CD57に対するモノクローナル抗体」を作製。89年には胸腺外分化T細胞を発見。96年には白血球の自律神経支配のメカニズムを解明するなど、免疫学の世界的権威として知られる。著書に『免疫革命』ほか
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運動で低体温を防ぐ
免疫力ブームの先駆者

自律神経のバランスの乱れが免疫力の低下を招くという理論(福田・安保理論)を提唱した安保徹教授。現在実践している健康法は60代という年代に合わせて「忙しくしない」という生活がポリシーだそう。

「今は、早く寝てしまうので、朝は4時か5時に起きて、明るくなってから散歩に出かけますね。そして最後の3分は全速力でダッシュ。腕立て伏せとエキスパンダーもやる。普段の食事は、7割くらいが玄米で、みそ汁と野菜の煮物と漬物とかね」と安保先生。

シンプルな食生活だが、各自のライフスタイルに合わせることが大切だと語る。「野菜類は消化吸収に時間がかかるので、バリバリ働く人には向かない。ご飯や肉を中心にして短時間で食べるのも、そうしないと気迫があまり出ないんだね。だから都会で忙しい人は、肉もご飯もたくさん食べていい。けれども40~50代あたりに限界がくるから、自然に身体が野菜を要求する。そうやって生き方に合わせて食事をすればいいと思う

そもそも雑食系の動物や草食動物は、偏った食事でも栄養失調にならないという。それよりも問題となるのは低体温だ。

「たとえば牛や象は、干し草だけでも生きていけますよね。私たちは、身体のなかで『解糖系』『ミトコンドリア系』という二つの経路でエネルギーを生成します。タンパク源、アミノ酸が足りないと、糖から転換しますが、低体温の人はその転換ができない。脂肪も体温が低くなると固まります。

草食動物は体温が39度以上で、干し草を分解した糖だけでも熱で転換できる。人間もそういう仕組みを持っています。低体温だとミトコンドリアが働けないから栄養失調になるのです」

安保先生が筋肉を鍛えるために運動を怠らないのも、筋肉と脳にミトコンドリアが多く存在するから。

「昔の日本人は、農業中心の生活や電化製品のない生活。毎日の労働で身体を動かしていたけれど、現代では普通に生活しているだけでは運動不足で低体温になってしまう。だから積極的に身体を動かさないと。生まれ持った筋肉量が人によって違うから、運動は、“無理すれば危険、楽すれば危険”という法則に従って運動しないとね。そのさじ加減は自分で感じ取ること」

同じように食事も、身体が何を欲しているかを、自身の感覚で決めることが大切だ。

出典『免疫力が上がる生活 下がる生活』(PHP文庫)

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新しい勉強で、脳のミトコンドリアを鍛える
「ミトコンドリアが多い脳を使うことも大切です。私は、新しい分野の本を読んで、視野を広める努力をしています。韓国語や動物学、植物学など、医学だけではない知識も取り入れたり、趣味の碁の問題集も解く。今まで気づかなかったことに気づく積み重ねも必要だと思います。いろんなことに対応する能力を身に付けて、現状を打破したいのです」

炭水化物のうち7割は玄米を食べる
「玄米にはタンパク質も脂質も入っているので、それだけで満足する味。白米はそういった部分が削られているから、ご飯のおかずが欲しくなる。だから玄米食の時のおかずはとてもシンプルです。玄米ばかりだと飽きるから精米して白米も食べます」

(TRINITY45号より)