五臓と感情の蜜月にメス!心が変われば、内臓も喜ぶ!(8)

女性の美と健康を守っている子宮
~心・腎・肝の関係

子宮
肝・心・腎の働きが循環し生命を育む、天然の保育器

中医学では子宮を「女子胞」や「胞宮」「血室」と呼び、肝・心・腎の働きのバランスである「性腺軸(生殖軸)」で月経周期をコントロールしている。子宮は、血や水、気を満たして胎児を育むという役割と、新陳代謝にる老廃物を排出し、最後には出産をするという役割も担っている。緊張やストレスが上手く発散出来ずにいると、心と腎の関係や肝の調整機能が乱れて性腺軸の流れへ影響を与え、子宮の周期的変化が乱れて、月経不順、不正出血、無排卵月経、不妊症などを引き起こす原因となってしまう。ホリスティックケアとしては、ストレスケアやミネラルの摂取のほか、中国では宮廷時代から真珠の粉が珍重されている。女性の子宮内膜は周期的に変化し、一生のうちに月経、帯(おりもの)、胎(妊娠)、産(分娩)を経験する。その変化がスムーズに行けば、健康や美を持続し、守ることができる。

全ての臓腑経絡をリードする「君主の官」である心は、循環器のほか、脳、中枢神経、精神活動、高次神経に関与し、女性ホルモンを分泌する下垂体の機能も包括している。心が、子宮が卵子を受け容れるのに十分な時期だと判断した時、卵巣に排卵の指令を出す。その後、受精が行わないまま、子宮が精血で充たされてしまった場合、子宮を開放し、精血を月経として排泄するように指示する。

腎は精(生命エネルギー)を蔵し、子宮を司る。精は気血の生成・化生の源で、子宮内の精血生成に関係し、生殖の精と卵をつくり出す。心・腎・子宮軸の周期的変化の基本とも言える。

●肝は生成された精血を蔵し、子宮内に満たすほか、自律神経への関与と気のコントロールを司り、月経や排泄などを調整している。

子宮に効く!  ホリスティックケア

◆フラワーエッセンス
生理特有の情緒不安定に作用するレメディを、「肝」「心」「腎」でおすすめした中から紹介。

●カッとなって激情する〜チェリープラム
●気分が上下するような不安定さ〜スクレランサス
●心の抑制を失う恐れ〜チェリープラム

◆ツボ
女性特有の月経痛・月経不順など、子宮に関係する疾患に効果を示すツボや、精神安定効果のあるツボを紹介。

湧泉 (ゆうせん)

足底の中心、第2と第3の指の骨の間のくぼみ。元気や活力が泉のように湧いてきて疲労回復し、精神安定効果も。

関元 (かんげん)

へそ下三寸、丹田のあたり。月経痛・月経不順などの婦人科疾患に効果があるほか、男性の生殖器・泌尿器などの疾患にも効果が。

労宮(ろうきゅう)

手のひらの真ん中に位置する。イライラする、気持ちが落ち着かない、心が晴れない場合に。このツボから気が出ているとも。

三陰交 (さんいんこう)

足の脛の内側、くるぶしの最も高いところから指幅四本上の際あたり。肝、脾、腎の3系統が並んでおり「婦人の三里」と呼ばれる。

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中医学講師・登録販売者・不妊症カウンセラー
楊 暁波(Yang Xiaobo)
中国雲南省昆明市出身。1984年雲南中医大学医学部卒業。同年雲南中医薬研究院医師・講師として勤務。1994年客員研究員として埼玉医科大学にて留学。1999年1月より日本中医薬研究会講師をはじめ、漢方講演・漢方相談・中医養生指導・中医美容指導・皮膚病アドバイスなどで日本全国にて活躍中

(TRINITY44号より)